日本理化学協会会長 上村 礼子
岩手大会運営委員長 千葉 勝幸
令和7年度全国理科教育大会・第96回日本理化学協会総会を岩手県盛岡市にて開催させていただきます。記録をたどりますと岩手県での開催は平成9年の第68回大会以来,28年ぶりとなります。岩手大会で主会場となるアイーナ(岩手県民情報交流センター)はJR「盛岡駅」西口より徒歩3分に位置しています。盛岡市については、アメリカのThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)が「52 Places to Go in2023 (2023年に行くべき52か所)」を発表し、イギリスの首都ロンドンに続く2番目として話題になりました。
さて,第5期科学技術基本計画に於いて,日本が世界の模範となるようにサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会「Society 5.0」が提案されております。学校教育に於きましてもその実現に向けて、学習指導要領が実施されており,その代表として「総合的な探究の時間」、「理数探究基礎」や「理数探究」等は、「理科教育」で培ってきた「探究」のサイクルを反映していると、受け止めているところです。
岩手大会では「全ての子供たちの可能性を引き出す理科教育―個別最適な学びと、協働的な学びの実現に向けて―」をテーマに研究協議を設定しております。教育のDX化が進む中,今大会ではAI等の活用が理科教育にどのように広がるかを協議する分科会も設けました。互いに議論し,今後の教育の進むべき方向を皆様とともに考え,研鑽を深めることができればと考えております。また,この機会に,マグニチュード9.0を記録した東北地方太平洋沖地震を経験した岩手の地形,平泉中尊寺といった世界遺産,ブラックホールの映像化に寄与した電波望遠鏡を有する観測所,そして宮沢賢治の詩で「鬼の棲みか」と表現された溶岩流の跡地と小岩井農場など岩手の自然や歴史も感じていただければ幸いです。全国の多くの会員の皆様のご参加を心よりお待ちしております。